【書評】『お金2.0』(著:佐藤航陽) 新しい「生き方」のヒント・まとめ

2017年はビットコインに代表される仮想通貨が本格的に普及しはじめ、「お金」に関する概念や価値観が変わりつつある流れを感じた一年でした。

フィンテック、ビットコイン、シェアリングエコノミー、AI、、、

色んなワードが飛び交うのも、もはや日常になりつつありますよね。

お金はこれからどのように変化し、私たちの生活はどのように変化していくのでしょう。

未来を先回っている人といえば、メタップスの佐藤さん!

2017年12月に発売された本『お金2.0 新しい経済のルールと生き方』には、お金のこれからのあり方に関するヒントが盛りだくさんで、読んでいて興奮しっぱなしでした。

はじめに言っておきますが、老若男女問わず日本人全員が読むべき本です。

なぜなら、これからの「生き方」のヒントになる考え方や概念を、余すことなくわかりやすく紹介しているからです。

そんな『お金2.0』の概要と、面白かったポイントを紹介したいと思います。

お金2.0の概要・要約

経済のあり方が変わろうとしている現代における、21世紀に登場した新しい経済とは何か、どのように歩めばいいのかについての指南書です。

具体的には、佐藤さんが経営されるメタップス社での実体験も踏まえて、以下のようなことについて書かれています。

・そもそもお金、経済ってなんなのか
・テクノロジーはどのようにお金を変えるのか
・近代を象徴する資本主義からの脱却、価値主義への発展
・お金のあり方が変わりつつある中、個人はどのように生きていけば良いか

私たちが普段使用している「円」のような法定通貨は、中央集権的に管理者(日本だと日本銀行)が存在します。

一方、ブロックチェーンなどの技術革新により、仮想通貨のような管理者不在の自立分散型システムがどんどん出てくるだろうというのが、本書の前提です。

通貨の発行、経済圏の形成という役割は、国家の専売特許でしたが、テクノロジーによって低コストで誰にでも実現できるようになる。

つまりは「経済自体の民主化」が進むと、佐藤さんは予測しています。

そして、資本にならない内面的・社会的価値(直接役には立たないもの)で経済が回るようになるとも。

現在は、大きなパラダイムシフトの過渡期。

お金というものの価値が相対的に下がってきて、お金の概念も大きく変わるのだなーということが、ヒシヒシと感じられました。

内面的・社会的価値が経済を動かすようになると、「儲けられること」より「情熱を傾けるできること」「なぜそれをやるのかという目的・意義」がより重要になってくるとも。

これはなんとなく最近の傾向として感じてはいましたが、その根拠として、内面的・社会的価値の見える化があるということが分かりました。

本書では難しい専門用語などはほとんど使われておらず、なるべく具体例を用いて説明されています。

以降、個人的にここは押さえておきたいと思ったポイントについて、図表で紹介してみます!

Fintech1.0とFintech2.0の違い

目から鱗その①

Fintech、フィンテックと叫ばれるようになってから数年、クラウド会計やロボアドバイザー、決済システム、ビットコインに代表される仮想通貨などいろんなサービス・技術が出てきています。

それらは一口に「Fintech」とまとめられますが、実は全く異なる2つの性質のものを混ぜて語っている場合が多いようです。

その違いを本書では「Fintech1.0」と「Fintech2.0」として紹介されています。以下の図でまとめてみました。

Fintech1.0は、既存の金融システムをあくまで効率化するもので、金融の有識者がすぐ理解できるもの。

一方Fintech2.0は、1.0とは全くの別物で、既存の金融システムとは一線を画しています。既存の金融の有識者ほど、理解に苦しみます。

フィンテックを語る際は、1.0と2.0を明確に区別することがポイントです。

本書のタイトルでもあるお金2.0も、ここから来ています。

経済は複数存在する

目から鱗その②

本書を読むまでは、「そもそも経済って選ぶものなの?」という感じでしたが、本書を読むとその疑問は解消されました。

下記は、自分の理解のために作ってみた図

ブロックチェーンに代表されるようなテクノロジーの発展により、自律分散型のシステムを低コストで実現できるようになりました。

さらに、トークンを発行するなどして経済自体がパラレルで存在し得るというのが、これからの世の中です。

これまでは一つの経済で失敗すると再起が難しかったかもしれません。

でも、そもそも経済自体を選べたり行き来できたりするとなると、随分と救われる人もいるのではないかなーと思いました。

そのうち、多経済評論家とか、多経済間でのトレーダーとか、いろんな職業が生まれてきそう。

ちょいとややこしいですが、経済圏も分散していて、かつ各経済圏上でのサービスも管理者不在の分散型ネットワークで機能する状態を「二重の分散」と本書では表現しています。

この「分散」というワードは、21世紀をいきていく上で外せないキーワードですので、押さえておきましょう。

新しい概念「価値主義」とは

目から鱗その③

本書で提言されている次世代の考え方、「価値主義」。

資本主義においては、価値というのは「役に立つもの」という前提がありました。

一方、内面的な価値や社会的な価値というのは、本当は社会に大きく影響を与えるものであるにもかかわらず価値がないものとみなされてきました。

でも、テクノロジーの発展によって、内面的価値や社会的価値が可視化されつつあり(例:SNSのフォロワー数)、資本主義では扱えなかった価値まで経済に取り込めるようになるようです。

価値主義が普及した世の中では、内面的価値や社会的価値が経済を動かすようになります。

そのため、お金の相対的な価値は下がり、儲かることを優先して動いても”儲からなく”なる。

これまでと成功法則が逆になって、「役に立たないこと」「利益にならないこと」でも、内面的価値や社会的価値を大きくするような「好きなことに情熱を傾けること」がより重要になってきます。わお。

お金2.0を読んだ感想・まとめ

『お金2.0』に描かれている未来は、特に年配の多くの人はまだ理解が難しかったり、受け入れがたいものかもしれません。

確かに、今の現実からは離れたように見えます。

でも、自分を含めた30代以下の世代の人は、意外にすんなり受け入れられるのではないかと感じましたが、どうでしょうか(?_?)

それは、本書で書かれていることの端々が、すでに現実社会で始まっていること・変わってきていることを、肌感覚で実感している気がするからです。

『お金2.0』を読むと、未来を想像してアドレナリン全開になるというか、興奮します。

正直、本書の記載の中には、人に教えたくないというか「こんなことまで書いていいのか?」と思える内容ばかりでした。

それでも、日本人全員読んだ方がいいと、胸を張っておすすめしたいと思わされた一冊でした。